Nearly ZEHとは?通常のZEHとの違いを解説
近年、新築戸建住宅において、ZEH(ゼロエネルギー住宅)が注目されています。ZEHに準じて、Nearly ZEHというものが制定されています。ZEHは聞いたことがあっても、Nearly ZEHとの違いを知らない人は多いのではないでしょうか。今回は、Nearly ZEHの定義と、ZEHとの違いについてご説明したいと思います。
◯ZEHとは
まずZEHとは、Net Zero Energy Houseの略称で、エネルギー消費量がゼロの住宅のことです。断熱と省エネによりエネルギー消費量をできるだけ少なくし、かつ必要なエネルギーを自ら生み出すことで、一次エネルギー消費量を実質ゼロまたはマイナスにします。これまでにも、住宅設備にはさまざまな省エネシステムが取り入れられてきました。ZEHは、この省エネシステムに加えて、断熱性能を向上させ、太陽光発電などによる創エネ(再生可能エネルギー)を導入することで、使う電力よりも創る電力を多くしようという住宅です。
◯Nearly ZEHとは
簡単に言うと、狭い都会の住宅などの場合、太陽光発電を十分に搭載できないケースに配慮したものです。年間の一次エネルギー消費量を完全にゼロ、またはマイナスにするのが「ZEH」であるのに対し、年間の一次エネルギー消費量を可能な限りゼロに近づけるのが「Nearly ZEH」です。都心の狭小地などで日照時間や屋根面積が限られている住宅が対象です。つまり太陽光発電のサイズが小さくなるため、一次エネルギー消費量が概ねゼロじゃなくても良いということです。具体的な条件は、断熱性能基準と、省エネによる消費量削減の基準はZEHと共通です。また、Nearly ZEHであっても創エネの導入が必須です。異なるのは、創エネを含めた総合的な一次エネルギー消費量削減率が、ZEHが100%以上であるのに対し、Nearly ZEHは75%以上・100%未満と定められています。
◯Nearly ZEHでも補助金はもらえる?
ZEHの補助金は全国一律で1軒あたり75万円です。これは地域区分や家の規模を問わず一律です。寒冷地特別外皮強化仕様のNearly ZEHについても同額の補助金が用意されています。(平成29年度現在)
また、補助金の対象となるZEHまたはNearly ZEHに蓄電システムを導入する場合には、補助金が加算されます。加算金額は、初期実効容量1kWhあたり4万円で、上限は補助対象経費の1/3または40万円のうちいずれか低い金額です。
-まとめ-
いかがでしたか?今回は、ZEHに準ずる「Nearly ZEH」についてご説明しました。狭小住宅で創エネが難しい場合でも、Nearly ZEHを実現することはできます。補助金をもらうには、定められた要件を満たす必要がありますが、新築戸建住宅を建てる際は、ZEHまたはNearly ZEHにすることをおすすめします。